才能が溢れ出る今敏監督作品
才能が溢れ出る今敏監督作品
パプリカ
2006年に公開されたアニメーション映画です。これは今敏監督作品の中で最もメジャーと言っても過言ではないと思います。
時田先生というかなり太った登場人物がいるのですが、彼は夢を共有できる装置 "DCミニ" を開発した超天才です。そして研究員と夢で治療を行う夢探偵であるパプリカの2つの人格をもつ千葉敦子。などなど、魅力的な人物が登場します!
さらには他人の夢に侵入して、全てを支配しようとする黒幕が出てきます。これにパプリカが立ち向かう姿が物語の大きな流れです。
しかし、ただただ映画を作っているのではないのが今敏監督です。
①リアルと夢。
この2つは果たして別物なのか…。
映画の中でも現実世界に夢が侵食してくるシーンがあります。登場人物たちもそうですが、観ている私たちも次第に現実なのか夢なのか区別できなくなっていきます。
でも実際どうでしょう。
確かに明晰夢という夢を夢と自覚してみる夢は存在します。しかし、私たちは夢をみている間、それを現実だと思い込んでいます。
つまり、現実かどうかなど単に人間の主観で意味付けられるものなのです。
アニメ自体も言ってしまえば、虚構の存在です。
しかし私たちはそのアニメに熱狂し、限りなくリアルに近いものとして享受しています。
現実と虚構は等価のものであり境など存在しないというメッセージを私はこの作品から感じました。
②自分とは…
この映画の主人公である千葉敦子は二重人格としての側面を持ちます。
さらに映画の終盤では、もう一人の敦子であるパプリカが「何でもかんでも自分の思うようにできると思ってるの?」と敦子自身に投げかけるシーンがあります
私たちは自分自身のことさえも理解しておらず、制御することもできていないのだと感じました。
パプリカって深い笑